痛みについての基礎知識③

前回の続きになります!①と②の記事を読まれていない方は、是非合わせてご覧になってください(^ ^)

痛みについての基礎知識①

痛みについての基礎知識②

痛みというのは複雑なメカニズムで、それぞれの痛み方によっても種類わけが出来ますし、もっと深掘るとキリがないくらい難しい感覚です。

様々な痛みの全体像が分かったところで、今回は痛みに対してどう向き合うか?について書いていこうと思います!

僕の持論と科学的根拠も合わせてお伝えしますので、参考にしてみてください(^ ^)

痛みと向き合うには?

まず、痛みが心地良い感覚だと思う人は恐らくいないと思います。

理想をいうと、その場でパッと痛みが消えることが理想ですよね?

もちろんそれが出来れば治療家目線で言っても嬉しいですし、患者様目線でもこの上ない嬉しさがあるでしょう。

しかし、現代の医療技術では痛みをその場で完全に消すというのは困難を極めます。

なかには痛みをその場で完全に消すことが出来る先生方もいるかもしれませんが、再現性がないので世の中に広まることもないでしょう。

となると、ご自身がまずは痛みと向き合うということが大事になると思っています。

具体的にどのように向き合えば良いのか?になってきますが、前回・前々回とお伝えしたように、痛みには種類があるのでそれぞれが異なったアプローチになります。

順番に解説をしていきたいと思います!

①侵害受容性疼痛の場合

侵害受容性疼痛は、組織に損傷が認められた場合に発する痛みを言います。

簡単にいうと、ケガなどの外傷・腰痛や膝の痛みなどの慢性痛も侵害受容性疼痛に含まれます(慢性痛は様々な痛みが混合しているので、侵害受容性疼痛だけのカテゴリーには収まりません)。

急性痛(発症してから4週間以内)の場合は、炎症が原因で痛みが起きていることが多いです。

なので、炎症が引いてくると痛みも幾分か落ち着いてくるのも急性痛の特徴です。

ただ、炎症があるうちはズキズキとする痛みが続くので、それを少しでも早く和らげて早期回復に向かわせるための処置の方法があります。

一昔前は、RICE処置と呼ばれるものが主流でした。

R:安静

I:冷却

C:圧迫

E:挙上

しかし、RICE処置を行うとかえって治りが遅くなるということが分かってきたそうです。なので、今のところ最新と呼ばれる処置方法は、POLICE処置というやり方です!

急性痛にはPOLICE処置を!

これは以下のようなやり方になります。

P:シーネなどで患部を保護し、再受傷を防ぐ

OL:早期から最適な負荷を患部にかけて、筋肉の萎縮を防ぐ

I:冷却して痛みを軽減させる

C:患部を圧迫して内出血などを抑える

E:むくみが出ないように挙上させる

(参照元:亀田メディカルセンタースポーツ医学科

ここで重要なのが”安静”が無くなっていることです!

今まではケガをしたら安静にするのが一般的でしたが、どうやら安静が長期的にみると治りを遅くさせる原因になっていたようですね。

もちろん、安静にせざるを得ない場合は仕方ないですし、全く安静にしないのも良くはないと思いますので、専門家の判断を仰ぐことをお勧めします。

慢性痛に関しては後ほど詳しくお伝えします!

②神経障害性疼痛の場合

神経障害性疼痛は、神経機能の低下や機能異常が原因で起こる痛みを言います。

これは侵害受容器が刺激されていないのにも関わらず、痛みを伝える伝導路が興奮してしまっている状態です。

たとえば、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが神経障害性疼痛に含まれます。

神経障害性疼痛も、実は侵害受容性疼痛がミックスされて起きることもあるので、神経自体に炎症を伴っている場合もあれば、機能自体の低下が原因して痛みを起こし続けているというケースが存在します。

なので、神経障害性疼痛自体はガイドライン上も矛盾も多く、まだ明らかになっていない部分が多いようです。

ただし、神経障害性疼痛を患っている方の場合は、痛みを過度に意識しすぎてしまっていることが原因で、余計に痛みを強めてしまっているケースが多いようです。以下が引用になります。

神経障害性疼痛では,痛み以外に睡眠障害や活力の低下,抑うつ,不安,口渇, 食欲不振など様々な併存症を伴う1).

痛みによって,このような併存症を伴う機 序は明らかになっていないが,これらの要因は fear‒avoidance model(恐怖回避 モデル)と呼ばれる痛みの悪循環モデルに合致する(図 1)2).

つまり,痛みに対 する患者の思考パターンとして“痛みの破局的思考”があるため,痛みへのとら われが強化され,その結果,痛みが起きるような日常生活を避け,過度に安静を 保つようになり,廃用障害や機能的 ADL の低下,抑うつ傾向となり,これらが転じて痛みに対するとらわれ(疼痛認知への偏り)と疼痛顕示行動がより強化さ れていくだけでなく,ADL と QOL が負のスパイラルを形成して増悪していく2).

このような慢性疼痛症候群と呼べるような状態に陥った神経障害性疼痛の治療で は,これらの生物心理社会的な陰性要因を評価する視点が必要である.

(引用元:日本ペインクリニック学会

(参考元:図 1 痛みの恐怖回避モデル(文献 2 より引用一部改変)

痛みがあることを無理やり「痛くないから大丈夫!」と念じても、痛みは実際にあるので消えることはありません。

しかし、痛みにあまりにもネガティヴに考えすぎてしまうと、動くことを極端にしなくなってしまい、それが筋力低下を引き起こして治りをさらに遅くさせます。

つまり何が言いたいかというと、痛いながらにも最低限の負荷は掛けていくことが大事です!

もっと抽象度を上げると、日常生活を見直すことが大事になりますね。

神経痛などは自律神経の乱れも大きく関わる(特に交感神経)ので、興奮自体を抑えるには普段の生活から気をつけなくてはいけません。

食事でいうと高糖質・高脂肪食は控えたり、砂糖食品を減らす、ビタミンB群・C・Dなどのビタミンを摂る、マグネシウムなどのミネラルを摂る。

寝る前にはなるべくスマホやPCなどは避ける、水分補給は最低でも2リットルは飲む、週に1〜2回は汗をかくなど。

こういった生活習慣の部分が見直すことができれば、神経の興奮は抑えられ、痛みの軽減にも繋がるかと思います。

しかし、即効性がないので中長期的な戦略になります。痛みをその場で消すことを目的にするとしたら、神経ブロックを打ったり、痛み止めを服用するのが良いでしょう。

③非器質性疼痛の場合

これも神経障害性疼痛と似ていて、侵害受容器に興奮がないにも関わらず、痛みが出てしまっている痛みを言います。

以前は心因性疼痛と呼ばれていたことから、心の問題では?と言われ続けた痛みですが、現在では心の問題だけではなく、さまざまな環境要因や社会的要因が絡む複雑な痛みだと言われています。

原因不明の痛みの代表格でもあるので、慢性痛でお悩みの方は非器質性疼痛に当てはまる可能性が高いでしょう。

これに関して言うと、科学的根拠があるとされているのが、認知行動療法です!

認知行動療法とは、一言で言うと難しいのですが、考え方の歪みから行動や感情が不適切になっているので考え方(認知)を変えて行動も変えていく、というようなイメージで大丈夫です!

もともとは心理学発祥の方法で、うつ病などの精神疾患の治療の第一選択肢として行われる方法です。

そのなかでも注目を浴びているのが、マインドフルネスです!以下がマインドフルネスの説明になります。

マインドフルネス認知療法(MBCT)マインドフルネス認知療法は、瞑想の技法を取り入れ、自動生起する思考にとらわれることなく、あるがままの状態に集中するという訓練である。1979年に仏教的な実践を痛みの患者に応用したマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を基として、1990年代にうつ病の治療のためにマインドフルネス認知療法(MBCT)へと変換された。他にアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)があり、これは受容という面に焦点を当てている。

(引用元:Wikipedia

そして、科学的根拠についてはこのように説明されています。

認知や行動は、精神分析とは異なり、現在利用可能な研究技術によって観察できるため、研究することができる[12]。伴って、膨大な数の調査研究が行われてきた[3]

(引用元:Wikipedia

有効性についてもこのように説明されています。

薬物療法と効果は同等であり、効果の持続時間はそれ以上であることが承認されている。多くの臨床研究によりうつ病と不安障害に対して効果が高いというエビデンスがある[23]

精神病症状に対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for psychosis:CBTp)は、34のランダム化比較試験と、いくつかのメタアナリシスによって、症状の重症度の有意な減少が見いだされており、また陰性症状や否定的な気分や社交不安の大幅に改善が見いだされている[5]。統合失調症では、薬学的治療によっても25–55%は症状から完全には回復せず、4分の3は18カ月以内に薬を中断しているため、認知行動療法による介入が推奨される[5]

(引用元:Wikipedia

これはうつ病患者様によるデータが中心なのですが、慢性痛の方にも効果は期待できると言われている方法の1つです。

否定的な考えが強すぎるために、脳の機能自体に狂いが生じるので、まずは今の状態を受け入れるというのが良いと思います。

すると、意欲・関心・積極性が増してくるので、施術自体の介入もしやすく、さらに痛みという指標だけに囚われなくなるので、結果的に痛みの緩和に繋がりやすくなるのです。

ただ、認知行動療法がいかに有効性が高いからといって、それだけで全てが良くなるわけでもありません。

やはり生活全体を見直すこと(神経障害性疼痛で述べたようにこと)が、中長期的には痛みの軽減につながるので、まずは出来る範囲で今の生活を変えていくのが良いでしょう。

まとめ

・侵害受容性疼痛は、POLICE処置が有効

・神経障害性疼痛、非器質性疼痛は心理面と日常生活を変えていくのが有効である

3回にわたって書いてきた痛みシリーズでしたが、いかがでしたか?

参考になるところもあれば、逆におかしいと思うところもあったかもしれません。

残念ながら現代医学では、痛みについての全容が解明されていないので、完全に再現性のある痛みの軽減法をお伝えすることは難しいのです・・・

しかし、何もしなければ何も変わらないこともまた事実。

どうにかして痛みを改善したい!というお気持ちがあれば、今から少しずつでも行動を変えていく必要があります。

それが、本当の意味での改善に近づく鍵になると僕は思っています。

かなり長文になってしまいましたが、現段階で分かっている範囲のお話をさせていただきました!

少しでもお役に立ってもらえれば幸いです(^ ^)

濱口

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